ギャンブル必勝法と言われるものがたくさんある。
マーチンゲール法やモテカルロ法などなど。
すべてのギャンブル必勝法を知っているわけではないが、概ね共通しているのは当てる方法ではなく言わば資金管理とも言うべき賭け方についてのものである。
言い換えれば勝つまでやり続けると言ってもいいかもしれない。
基本的にはリターンがいくらか決まっているから成り立つ手法かもしれない。
この点、株などの場合はリターンがいくらかは決まってはいない。これが難しい。
利益確定ラインをどこにするかとか、損切りラインをいくらにするかをきちんと定めておかないとこの手の手法は応用が難しいだろう。
逆に言えばリターンが何倍にもなることも珍しくないので株で億万長者が出るのも頷けると言うもの。
オプションを説明する時にくじなどが使われたりすることからも分かるように、オプションはギャンブルと親和性が高いと個人的には思っているが、ギャンブル必勝法の考え方をオプションに応用してみたい。
要するに相場が上がるとか下がるとか相場を当てにいかず賭け方でトータルで利益を狙う。目先の負けに一憂しない。
マーチンゲール法が必勝法と言われても誰もやる人はいないだろうし、マーチンゲール法で大金持ちになったということは聞かないのはギャンブルが好きな人にとってこんな面白くない賭け方をするわけがないからである。そもそもこの賭け方はある程度の資金力が必要であり、必勝法とは言っても当てる方法ではないので負け続ける危険性も高い。ある程度の資金があり、計画的に機械的に賭けていく必要があるが、ギャンブラーにそんなことは無理なのかもしれない。
当てる方法ではないため下手したら何連敗もしてしまう可能性があり、というか負けが込みの手法であるため、トータルでは利益がでても個別の戦いで負けることが前提ともなっており、それは人間心理的に受け入れられないのだろう。
それは投資の聖杯についても、百発百中の方法を指していることからも分かる。
人間は負けることに慣れていない。いや、負けたくないのだ。
オプションはサヤ取りであるという意見からすれば、サヤ取りは両建てよろしく片方で損しても片方では利益があがり、トータルで利益を得ようとするわけで、となればこの手法もあまり人気がないのも頷ける。
人は最初から負けると分かっていることを受け入れることができないのだろう。
嘘でもいいから必ず儲かると言って欲しいのかもしれない。
オプションにはデルタヘッジというものがあるが、このデルタヘッジの考え方はヘッジをしない場合でも実は使える手法である。
要は現実のボラより低いIVのオプションを買い続ければ利益がでるということである。
勿論現実のボラティリティがいくらになるかは1か月後にしか分からないのでこれは当てものになってしまうわけだが。
とは言え、ギャンブル必勝法の致命的な欠陥は負け戦の場合の損失がどんどん積み上がりそれに耐えきれない場合破産してしまう事である。
もしそれに耐えうるなら、要するに無尽蔵の資金があれば必ず儲かることになる。
そこで、負け戦の時の被害をできるだけ少なくし、勝った時のリターンをより多くすることによってこの致命的な欠陥をなくせないだろうか?
オプションではそれが可能となる。