手抜き投資改めご都合主義の期待売買

結果だけに一喜一憂するご都合主義の期待売買

オプションのデルタはインする確率とはどういうことですか?

オプションのデルタは権利行使価格にインする確率とも言われる。

この点について備忘録

 

残存期間12日の22375円のコールのIVは22.55でデルタは34.72なので満期までに22375以上になる確率が34.7%ということになる。※終値22000円とする。

 

IVが22.55ということは1日のボラを1.18%と見込んでいる。12日後の変動率は4.08%。

22897円までの確率は正規分布+σ1で34%なのでそういうことなのだろうか。

しかし、この場合平均を終値ベースで考えているので実際は違うはずだ。

平均をどこにするかでかなり違いがでる。

いずれにしろ正規分布で言うところの34%というのは+σ1の範囲内のことを言っているのであって、22375円以上の確率を言っているわけではない。

そこでエクセルでnormdist関数で22375円以上の確率をだしてみる。

この場合標準偏差はIVを使って直近終値22000円で計算、平均は実際の日経平均21日を使ってみると、満期までに22375円以上になる確率は約1.6%にしかならない。

果たしてこれでいいのか?

そこで、平均を過去245日平均にして標準偏差も平均で計算するとその確率は約18.6%となった。

平均を過去21日とし、標準偏差も21日でとると約29%となる。

平均を過去365営業日にし標準偏差を365日で算出しそれを終値22000円で計算すると約15.7%程度となる。

ボラが率で算出される為、関数で計算する際に価格に変換しているが、この際基準となる価格を何にするかで大きな違いがでるので計算式としてそもそも間違っているのだろう。

 

関数で計算する際、平均を使わずに終値を入れて標準偏差はIVを残存日数に変換し、終値にかけてやり標準偏差として入力すると約33.8%の確率となった。

実際最近は下落していたので長期の平均値のほうが高くなり直近の平均値が低くなる傾向にあり、またボラティリティも短期では下落しているものの長期のヒストリカルボラティリティの下落が遅れてやってくる。

インするかどうかの確率を見る場合は平均値ではなく終値のほうがいいのかもしれない(関数的にどうなんだかさっぱりわからんが)。

思うにこういったことをいくつかのパラメーターを入力するだけでいとも簡単に算出できる公式を考え出したブラックとショールズさんは確かに天才だな。

さらに、ボラをIVではなく実際の日経平均の21日ボラにし、残存営業日数にすると約34.6%となった。

数値が近くなったが、本来前提となるデルタはIVで算出されているものであり、この数値に違うボラを使って近づけるのはおかしな話だ。

とは言え、21日ボラを残存営業日数にしたほうが感覚的に腑に落ちる。

あくまでブラックショールズはブラックショールズの理論のもとでの計算結果であって、その確率が絶対正しいものではない。

そもそもIVはマーケットが決めているものであって(価格から逆算しているとも言える)、ブラックショールズ計算式が確率を算出しているわけではないのだから。

この点、ブラックショールズ計算式は株価が正規分布していると仮定して構築されているとして批判されることがある。

確かに株価は正規分布はしていないものの、確率で価格を計算する場合に一般的な確率として正規分布が一番扱いやすかったから使っただけのような気がするが、この点には注意する必要があるだろう。

※結論

個人的にはデルタはインする確率ではないとしておこう。