手抜き投資改めご都合主義の期待売買

結果だけに一喜一憂するご都合主義の期待売買

FXは丁半博打ではないようだ

今期も大きく損失を出しそうなので例の如く投資の聖杯を探していた。

現実逃避ともいう。

先日こんな本を買ったので改めて読んでみた。

この手の本は今まで何冊も読んでいるので既知の話も結構あった。

そもそもいわゆるギャンブルはやらないのになぜこんな本をわざわざ買って読むかと言うと、そこに投資一般に通ずるヒントが結構転がっているからである。

数学での確率論はギャンブルがそのもとになっていることからも分かるように、頭のいい人たちが真剣にギャンブルというものを研究している。

そして、必勝法とでも言うべき戦略を思いついたりしていて話としても面白いのだが、やはりその着眼点が一般人とは違い、目から鱗的な事を見つける事ができる。

例えば宝くじであるが、宝くじは期待値が約半分なので買い続けても儲からないというのは誰でも知っている。普通はここで思考は終了するが、当選者がいないと当選金が繰り越される制度のあるくじも多い。

こうなると話は別だ。当選金がいくらになるか計算し、もしくじ全部を買っても当選金が多くなれば確実に利益を手にすることができる。

勿論、賢明な日本人は理屈ではそうだが、と言って誰もそんなことはしないだろう。

しかし、アメリカ人は実際にやった。

話はこれで終わらず、こんなことをまるでビジネスのようにやってしまうのが欧米の人間の発想と実行力だろう。ファンドのように金を集めてやるわけである。

さて、話がそれたがFXである。FXは丁半博打なのか?という議論は以前からあり、このブログでも一度書いたことがあるが、その記事のアクセスが多くていかにFXをやっている人が多いかが分かった。そこでアクセス目的でこの記事を書いてみた、というわけでもない。

 

そもそも博打=ギャンブルとは一体どういう行為を言うのか?それが分からなければFXはギャンブルだ、などと軽々しくいう事はできない。

上記の本ではポーカーがギャンブルにあたるのかどうかみたいなことが裁判の中で争われた事例が紹介されており、その中にヒントがあった。

端的に言えばギャンブルとは偶然性に支配されたものであり、また、結果を個人のスキルなどで変える事ができないものと言えそうだ。

ここで言う結果とは自分に返ってくるリターンではなく、そのゲームの勝敗を左右することであり、勝敗がプレイヤーのスキルで変える、あるいは変わることがあればそれはギャンブルとは言えないということである。

確かに将棋やチェスは偶然性もあるが、勝敗の結果は明らかに個人のスキルに左右される。

一方競馬はどうだろうか。競馬は強い馬はある程度は勝つ。一部の人は競馬で儲かっている人もいる。上記本の中でも競馬に賭ける事がビジネスとして行われている事例が紹介されている。

とは言え、勝敗の結果を予想するのはスキルで左右されるが、勝敗自体を賭ける側のスキルで左右する事はできないのでやはりギャンブルと言えそうだ。

しかし、ポーカーはどうか。確かに配られるカードなど偶然性はあるものの、テキサスホールデムなどでも分かるように結果として弱いカードでも勝てるゲームであり、偶然性の占める部分は大きいものの個人のスキルで結果が左右されている。

こうなるとポーカーはギャンブルではないと言えそうだ。

 

そう考えるとFX、為替のトレードというのは確かにその通貨が上がるか下がるかを個人で変えることはできない。国家的な力でもなかなか難しいだろう。

そういう面ではギャンブルと言えることになる。

しかし、一方で、偶然性に支配されているかというと必ずしもそうとは言えない。

例えば当該通貨発行国の金利が上がればその通貨の価格は上がることが予想され、金利が今後上がるかどうかも当たるかどうかは別としてある程度の予想がたてられる場合も多い。

そう考えると結果を左右することはできないものの、必ずしも偶然性だけに支配されているということもできない。これは株にも言える。

つまり、少なくとも言えるのは上がるか下がるかは確率50%だから丁半博打のギャンブルではないということである。仮に上がる確率が70%で下がる確率が30%だったら勿論上がる方に賭ければみんな儲かるということになって賭けは成立しない。

しかし、ここで言う成立しない賭けは胴元が居て寺銭をとる場合の話であって、為替や株は胴元がいるわけではなく、もし上がる確率が高ければみんなが買い、そしてどんどん価格が上がっていくだけだろう。

最近仮想通貨を買うことに対して、それが投資なのか投機なのかよく議論にあがる。

投機をギャンブルのように捉える見解もあるが、ギャンブルを上記のようにとらえると投機とは明確に違うことが分かる。

例えば対象が株であっても、投機的な売買と表現されることがあるように投機は言わばその目的がなんなのかという点から区別されている表現である。

 

いずれにせよ、上がるか下がるか分からないからそれはギャンブルだ、とは即断できない。そんなことを言い始めるとある会社に対して投資することもギャンブルと言う事になる。

要するに自分の予想が当たるか外れるか分からない、そういうことにお金を賭ける事がギャンブルだとはならない。

ある程度の予測ができたり、ある程度自分のスキルで結果を左右することができればそれはもはやギャンブルとは呼べなくなる。

そういう意味では例えギャンブルであっても、恒常的に利益を上げ続けている人がいればその人にとってはそれはもはやギャンブルとは言えないことになりそうだが、それはまた別の話である。

という事でFXはギャンブルではない、と言えそうだ。