手抜き投資改めご都合主義の期待売買

結果だけに一喜一憂するご都合主義の期待売買

投資とトレードの違いとは

投資は長期的なもの

トレードは短期的なもの

と一般的に言われているようである。しかし、これは長期短期で区別すると投資は長期的でトレードは短期的なものと言っているに過ぎない。

投資の本質はなんなのか?トレードとはなんなのか?という問いに対する答えの一部分にすぎないように思う。

この区別は投資もトレードも基本的には同じ事をやっているという前提だからだと思う。例えば先物を売買するにしても短期的なものはトレードであり長期的に保有すれば投資となる。

しかし、先物を売買することが投資というのも少し違和感がある。そもそもトレードと投資が同じ観点同じ売買手法で単に長期か短期かの違いだけというのも違和感がある。

この議論は投資とギャンブルの違いにも似ている。

その人に投資する、という表現があるように本来投資と言うのはその投資対象が成長することに賭けるものだと言える。この点からすればギャンブルとも言えそうではあるが、それはまた別の話である。

一方トレードとは価格差から利益を上げようとするものである。この点から言えば長期であろうが短期であろうが関係なく、また、値下がり益も追及するものであって投資対象が成長しようが潰れてしまおうが関係のない行為である。

一般的には個別株を売買する人が多く、この場合信用を使わなければ基本的には値上がり益を追求するものだから投資になりそうである。

しかし、本来的な意味であれば投資とはその会社の成長を願って、あるいは成長すると見込んで株を買うものであるから、単に株価が今よりも上昇するだろうという見込みで株を買う行為はトレードであると言える。これを短期的売買だからトレードであるというのは単に捉え方見方の違いなので大して大きな意味はない。

自分はトレーダーだから長期的には保有しない、というのも変な話であろう。

分かりやすいのはバフェットとソロスだろう。バフェットをトレーダーだという人はまずいない。とは言え、短期で売却することがないとは言えない。例えば環境が変化して見通しを変更せざるを得なくなった場合は短期で売却することもあるだろう。自分は投資家なのだから短期で売買しない、などと言ったら本末転倒である。

また、バフェットが相場が下がる事を見越して先物を大量に売った、などという話も聞いたことが無い。とは言え、仮にそのような行為をしたとして、バフェットは投資家なのだからそれは投資の一環であり、トレードとは違って投資である、などと言うのも変な話である。

長期か短期かのみで両者を区別するのは適切ではなく、またそのような区別に実益はない。もっとも自分がやっている行為が投資かトレードかを明確に認識することには実益がある。投資をやっていると言う人は多いが、その実、やっていることはトレード=投機が多い。FXや先物は投資のカテゴリーに属するが、長期短期の区別で言えば明らかに投資ではないし、本来的な意味で区別しても投資にはあたらない。

そういう本質的な意味というのをあまり気にしない人と明確に認識しようとする人は投資をする上においても差がでてくるはずである。