手抜き投資改めご都合主義の期待売買

結果だけに一喜一憂するご都合主義の期待売買

プットオプションを売るという事からオプションの適正価格を考えてみる

購読しているブログにこういうのがある。

www.us-kabuop.trade

アメリカの個別株のプットオプションを定期的に売ってプレミアムを稼いでいくという手法。

先物オプションと違い、破産するような借金を背負う事はない。

なぜなら権利行使価格にインして権利行使されたらその株を買って保有すればいいだけだからである。

当該株を長期保有するつもりなら値上がりするまで待てばよいし、配当だって手に入る。

とは言え、さらに価格が下落する事もあるが。

結局のところプットを売る場合は少なくとも買ってもいいと思えるくらいの価格の権利行使価格のプットを売るべきなのかもしれない。

 

逆にプットを買う場合を考えると、当該株を売ってもいい価格となるが、仮に当該株式を既に保有している場合を考えるとそもそも現在価格より安い価格で売ってもいいとは思わないはずで、結局プットを買う場合は当該株式が安くなった時の保険で買っているということになる。権利行使価格にインしなければ権利行使しなければいいだけだからである。

 

次に売る価格であるが、結局これは買う価格でもある。

しかし、売る側と買う側ではまったく違うのに同じ価格で売買するのも変な話である。

それは置いておき、ATM付近でプットを売る=株を買ってもいい価格、とするとまずインをする確率は50%はあるが株価がいくら下がろうが関係ない。

なぜなら当該株を長期保有してもいいからである。オプションプレミアムが貰えるだけ儲けもの。とは言え、すくなくとも市場金利くらいの利回りは欲しいところ。

そう考えると実際のオプションプレミアムはかなり高いのでやはりプットオプションは売りたくなる。

逆に言えば買うには高すぎるのか?

いや、必ずしもそうとは言えないだろう。あくまで保険だからである。

保険だとするとやはりインする確率というのは重要である。

いや、確率と言うよりもどれくらい下げるのか?と言ったほうがいいかもしれない。

仮に当該株を保有していない場合を想定すると下がれば下がるほど儲かることになる。

10%下落する確率はどれくらいなのか。ここらへんで例の正規分布というやつがでてくる。

上がるか下がるかは50%。どれくらい下がるか上がるのかが要するにボラティリティということになる点に注意が必要である。

正規分布では要するに確率は同じ分布になっている。勿論、実際の株価は違うが。

仮にボラが年率20%だとすると、1か月のボラは約5.8%程度となる。

上にも下にも5.8%動く確率が34%と試算される。

株価が30000円だとすると、1740円下落する確率が34%になり、1740円の34%は約592円となる。月利約1.97%は悪くない。

 

プットの売り方にしてみれば充分すぎるプレミアムのようにみえて実はそうでもなく、妥当な数字と言える。

さらにこの価格というのはもっと下落する場合は考慮されていない。

一見当たり前のことのように見えるが、5.8%を超える下落確率はもっと低いものの、5.8%を超える下落をするときは5.8%以下の下落を含んでいるからである。

 

いずれにしろ個別株オプションで現物株を保有している場合と、先物オプションではかなりその構造が違うようである。